期間に定めのある契約社員は、3ヶ月や6ヶ月、1年などと契約の期間が決まっており、その都度契約を更新して働いていきます。 ですが、転職をしたくなった際には期間内であっても退職できるのでしょうか? その疑問について解説していきましょう。
目次
契約社員は簡単に辞められない?
退職を希望する場合、契約社員であっても労働者の権利だとしていつでも退職できると考えている人はいませんか?
確かに民法によって労働者は解約の申し入れをいつでもすることが可能とありますが、それは正社員のみの定めなのです。
そのため、契約社員は当てはまりません。
損害賠償を請求される場合も!?
6ヶ月であれば、6ヶ月以内に退職の申し出があった場合、会社としては最初の契約の際に取り決めていた内容と違うとして、損害賠償を請求する場合もあるのです。
退職をしたことで会社に実際に損害が発生した場合のみに請求されるのですが、これまでにも実際に請求されたケースは稀になりますが存在しているので気をつけましょう。
ただし、違約金は労働基準法で禁止されているので請求された場合でも支払いをしないよう注意しましょう。
すぐに辞められる場合はある?
では、契約社員は絶対に契約期間の途中で退職できないのでしょうか?
答えとしては、例外であれば辞めることが可能です。
その例外について確認してみましょう。
やむを得ない理由があるとき
契約社員であっても、民法第628条でやむを得ない理由があれば期間内であっても退職が可能であると定められているので、契約を解除することができるのです。
そのやむを得ない理由としては、
- 本人の怪我や病気
- 親の看護や介護
となるでしょう。
そのため、転職が決まったという理由である場合には退職することはできないでしょう。
労働条件に食い違いがあるとき
入社した時と明らかに労働条件に違いがある場合には、労働基準法の15条によって労働契約を解除することが可能なのです。
契約期間が1年を超えたとき
契約社員は、働き始めて1年を超えた場合であればやむを得ない理由がない場合でも契約を解除できると労働基準法137条で定められています。
そのため、1年以上働いていたのであればいつでも退職することが可能です。
契約期間が2年であった場合も例外ではなく、1年働いたのであれば途中で契約の解除を申し出ることができます。
上記の条件に該当しない場合には契約の解除を申し出ることができないので、契約更新時に更新しないことで退職することができるのです。
また、契約期間が終了する1ヶ月前までに退職の意向を伝えることでスムーズに退職することができるでしょう。
転職にベストなタイミングを見極めよう
契約社員である場合、転職活動をするタイミングがいつであるのか見極めることは難しいでしょう。
正社員であれば契約期間もないので、転職のタイミングも図りやすいのですが契約社員であれば自由に辞めることもできません。
やむを得ない理由があると嘘をついて辞める人も中にはいますが、円満に退職をするためにもタイミングを見極めることが大切となるでしょう。
転職活動のタイミング
転職活動は人によって期間にバラつきがあります。
早い人では1ヶ月ほどで終わる場合もありますが、長い人であると半年程度掛かることもあるのです。
ですが、転職先の企業も入社までの期間があまりに長すぎてしまうと採用を渋ってしまう場合もあります。
そのため、うまく転職活動ができないことも考えられます。
予定通りに転職活動が進んでいくわけではないので、現在働いている会社に契約途中であっても退職できるよう認めてもらうことが1番の解決法となるのです。
難しいのではいか?と考える人もいますが、多くの会社では正社員として働きだすことに対して祝福をしてくれるでしょう。
そのため、契約を守らなかったことを心から謝罪することが大切です。
業務の引継ぎがある場合には、しっかりと引き継ぎを行い、自分が退職をしても問題がないよう対応しましょう。
契約社員から正社員になる方法
契約社員から正社員に転職をする場合には、なかなか採用先が決まらずに落ち込んでしまうことも考えられます。
そのため、転職活動がスムーズに行えるよう転職エージェントを利用することが望ましいでしょう。
自分に合った職種は何なのか、自分に合う企業はあるのか?という疑問を解決できるだけではなく、履歴書や職務経歴書の作成サポート、面接対策など転職での不安を解消することのできるサポートをたくさん行ってくれます。
働きながらもサポートを受けることは可能なので、契約社員として働きながらも時間を有効活用して転職活動ができるでしょう。
まとめ
契約社員は契約期間内であれば、やむを得ない理由がない場合や1年未満であれば退職することは難しいです。
ですが、会社を説得することで契約を解除できる可能性も十分に考えられます。
契約期間内だからと転職活動を諦めず、正社員になるために転職エージェントを活用してステップアップを図りましょう。