終身雇用が当たり前でなくなった今、より良い労働環境を求めて転職にチャレンジする人が増えています。 書店に履歴書マニュアルや職務経歴書の書き方など、転職者向けの本が積まれているのを見たことがある人も多いでしょう。 しかし、こういった本にはいわゆる『基本中の基本』的なアドバイスしか記されていないことがほとんどです。 人事は1年に何十~百枚と送られてくる履歴書に目を通しているわけですから、そんなありきたりな履歴書や職務履歴書などどれも同じに見えてしまうのです。 貴方がもし、「書類選考でいつも落とされてしまう」、「面接にこぎつけられない」といった悩みをお持ちであれば、この履歴書の書き方を工夫するだけで、驚くほど転職が上手くいくかもしれません。 今回は知っているようで知らない、『受かる履歴書の書き方』について紹介します。
人事の目を引く、履歴の書き方
まずは、人事の目に留まる履歴書の各項目の書き方を学んでいきましょう。
①学歴
転職の場合、学歴よりも職歴でアピールした方が断然有利です。
ですから社会人経験が長く、職歴欄に書くべきことが多い人は中学校の卒業年次を省略して記入しても問題ありません。
反対に社会人経験が短い人は、空白を少なくするために基本通りに中学の卒業年次から記入するようにしましょう。
30代以降の人は、高校からでも問題がないようです。また、在学中に留学の経験がある人は大きなアピールポイントとなります。
しかし学歴の欄に記入できるのは留学1年以上のものですので注意して下さい。
②職歴
人事が応募者の履歴書で最も知りたいことは、今までどんな仕事を経験しているか、またその仕事の中で培ったスキルはどんなものがあるかということです。
ですから、職歴欄は最大限のアピールポイントと言えるでしょう。
どんな会社でどういったスキルを身に付け、結果につながったのかという事が最大のアピールポイントになります。
つまり、このことをできるだけ詳細に書くことで、読み手に具体的なイメージを連想させることができ、職歴欄のアピール度がより高まるのです。
読み手のイメージを膨らませやすいように、簡単な事業内容・配属先・部署移動・昇進などは全て記入しましょう。営
業所であれば、●●営業所所属、担当顧客の数、1日のアポ数などの営業スタイル、取り扱い商品などを書きましょう。
ただ事業内容を淡々と記入するだけでは、味気ないものになってしまいます。
仕事をする中での成長やスキルアップの度合いがわかるように書くことも大切です。
③退職理由
履歴書では詳しい退職理由を記入することは控えましょう。
「一身上の都合」と書くよりは「スキルアップのため」と記入した方が印象が良いです。
仕事を続けながら転職活動をしている人は、最後に「現在に至る」と記入し、既に退職が決まっている場合には括弧書きで(●月末に退職予定)と書きましょう。
④資格・免許
資格・免許を記入する際は、この資格はこの会社にとって必要なのかという事を重要視しましょう。
持っている資格を全て書きこめば良いわけではありません。その中からアピールポイントに向いているものを取捨選択して記入するようにしましょう。
自動車免許や語学力(英語検定なら2級以上、TOEICなら500点以上)は業務に関連がなくても大きなアピールポイントになります。
外資系などの英語力が必要不可欠な会社への転職であれば、英語検定準1級、TOEIC700点以上になります。
⑤健康状態
健康状態はその人によって違いがあります。
自分の健康状態が優良である場合は、「極めて健康(前職では●年間無欠勤・●年間一度も病気にかかっていない)」という書き方が良いでしょう。
持病があり、定期的に通院している場合は、「良好である(持病の●●を持っており、定期的に通院中ですが、業務には問題がありません)」という書き方であれば、マイナスイメージを受けることはありません。
⑥趣味
基本的には何を書いてもよいですが、パチンコや競馬などのギャンブル色が強いものは書かないようにしましょう。もし読書と記入するのであれば、好きな作家や1ヵ月間に読む本の数などを記入すると良いでしょう。
写真や封筒の選定方法
①写真はプロに委託しましょう
写真はスピード写真ではなく、写真館などでプロのカメラマンに取って貰うのが最も良い方法です。
プロならばライティングや髪型・姿勢などのアドバイスもしてくれ、仕上がりも綺麗になります。表情が固くなりがちな人でも、柔らかい印象になるように撮影してくれるので安心です。
②封筒の選び方
封筒はビジネス用の薄茶色のものか、白の封筒を使用しましょう。
大きさは書類に合ったものを使い、出来るだけ中の書類を折り曲げずに済むものを使用しましょう。
切手は料金不足にならないようにすること、また速達で出す場合は受け取り側の負担にならないよう、速達を指定された時のみ行うようにしましょう。
郵送する書類がそろったら、封筒に入れる前にコピーを取ることを忘れないようにしましょう。
履歴書は企業への重要なアピールツールです。ですが、失礼のないように最低限の配慮を行うのは社会人として当たり前のことです。
これだけで合否が決定されるものではありませんが、ルールを守った上で魅力的な履歴書を完成させた方が好印象を与えるのは間違いないです。