退職交渉について~転職虎の巻 その④~
目次
退職交渉(退職願)はいつ始めるべきか
無職になるブランク期間がなく、転職するためには、退職交渉を切り出すタイミングは非常に重要です。
では、どのタイミングが最適かというと、転職先の「内定受諾をした時」です。
本来の意味の「内定」とは労使間にて、お互いに雇用契約に同意した状態です。つまり、それが「内定受諾をした」状態です。
なぜ、そのタイミングかというと、労使間では圧倒的に労働者が不利な立場にあるため、転職先となる企業が、採用を取り消すことが出来ない状態まで持ち込み、内定者を守ることができるためです。それがこのタイミングになります。
それ以降の内定取り消しは、解雇に相当します。日本で解雇される場合は、倒産危機に陥るなどの例外を除いては、ありませんので、基本的に内定取り消しは発生しません。
もし仮に、例外な事情がないにも関わらず、受諾後に内定を取り消そうとする企業があった場合は、損害賠償の請求をしましょう。ほぼ100%勝てると言っても過言ではありません。
転職先から内定が出たらすべきこと
企業から内定のタイミングで、口約束だけではなく、「内定通知書」を書面で貰うことが必要です。
仮に企業が内定取り消しをしようとした際、形に残るものがないと、取り消しを無効化することが困難を極めます。また無効化出来ないこともあります。
転職が当たり前の時代に、内定通知書すら提示せず、口頭だけで内定という企業は、仮に取り消し行為が無かったとしても、36協定や人事制度などが形骸化している、ブラック企業である可能性が非常に高いので要注意です。
しかし、たまに首都圏でも老舗の中小企業や、地方の企業は、悪意なく内定通知書を発行していない場合があるので、100%ブラックだと決め打ちするのはやめましょう。
なかなか発行されない場合は、一度企業に問い合わせてください。それでも対応してくれない場合は、おそらく真っ黒です。
仮に入社しても社員を大切にしない、もはや人として扱ってくれないような会社ということが、事前に分かっている所に、わざわざ飛び込む必要はありません。
真っ黒の会社に入りたいということであれば、話は別ですが。
転職先の企業名を明かすのは絶対に厳禁
退職交渉がスムーズに完了すると、気が抜けてしまい、答える必要ないことを現職の会社に伝えてしまうことがあります。
それは転職先の企業名です。
特に同業他社の場合は、絶対に転職先を明かしてはいけません。これは肝に銘じてください。
なぜなら、転職先が同業他社の場合は、ライバル企業とは言え、現職の会社と転職先の会社は、何しらの繋がり・パイプがあるはずです。
悪質な場合、それを利用して貶めることを計画しているかもしれません。
転職先を現職の会社に伝えたときに考えられるリスク
具体的には、転職先に根の葉もないネガティブな情報を流す、または引き抜き工作をしたと騒ぎ立てるなどをするケースがあります。
これは仮の話ではなく、実際に起こった実例です。
この程度では内定取り消しとはなりませんが、転職先に入社する前から「疫病神」というレッテルを貼られてしまいます。
入社前からそのような扱いを受ける会社では、居心地が悪いので長くは働けないですよね?またすぐに転職活動をする羽目になります。
だから、絶対に転職先を明かすことはやめましょう。
退職願を受理してもらえない場合の対処法
転職を思い留ませるために、現職の会社が、退職願を受理しないという強硬手段に出ることが結構あります。
受理されないと退職できないのかな?そのような強硬手段に出る高圧的な人に対して、説得しないといけないのかな?と根気負けしてしまうこともあるかもしれませんが、毅然とした態度をとってください。
そもそも退職願を受理しないことは、憲法および法律に違反している行為です。
あなたが悪いのではなく、現職の会社が悪いのです。
法律上、退職を申し出た場合、2週間後には退職できる規定となっています。
万が一、現職の会社が強硬手段に出た場合
2週間後には強硬手段に出ましょう。目には目をです。2週間後から現職の会社に出社しなければよいのです。
もし、強硬手段に出るのが気が引ける場合は、弁護士や労基署に相談、もしくは、いま話題の退職代行に依頼をしましょう。
いまはネット社会。そこまでの行動に出れば、現職の会社も口コミサイトなどに悪い情報を書かれることを嫌がって、退職願を受理してくれることが多いです。
ただ極力、強硬手段を使わずに円満退職ができるよう、現職の会社に対して、根気強く説得できるとよいですね。