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「受かる」選考書類の書き方

「受かる」選考書類の書き方

今回は、職務経歴書に関する基本的なことはもちろん、職務経歴書の書き方や見られているポイントなどを細かく紹介していきたいと思います。

目次

転職活動をする上で、必ず必要となってくる書類の1つが職務経歴書です。

転職活動をしたことがある人であれば、「あぁ、作ったなぁ」と誰もが記憶しているくらい、必須の書類です。

しかし、コンサルティングをしていると、転職希望者から「履歴書だけではダメなのですか?」「どうしても職務経歴書を作らなければなりませんか?」といった質問を受けることがあります。

職務経歴書とは

職務経歴書とは、今までどのような仕事をしてきたのか、その仕事をしてきた職場ではどのような実績を挙げてきたのかという点について詳細に記載した書類のことを指します。

一言で言うのであれば、「転職希望者を一目でわかるようなカタログ」のようなものだと思って頂ければよいのでしょうか。

カタログには商品・サービスの細かい仕様や特徴が詳しく書かれていますよね。そういった意味で「職務経歴書はカタログのようなもの」だと称しました。

職務経歴書には定型フォーマットがない!?

今は履歴書も職務経歴書もパソコンで作ることが多くなりました。

「職務経歴書はまだしも、履歴書は手書きの方がいいよ」という転職エージェントもいるようですが、私が今まで多くの企業担当者とやり取りをした中で「履歴書が手書きではなかったので一次の書類選考から落としました」という人はゼロ人です。

気にしなくて大丈夫です。

履歴書はインターネット上で検索をすると様々なフォーマットを見かけるようになりました。

実際にフォーマットを見てみると、少しずつアレンジは加えられているものの、ほとんどの履歴書フォーマットはある程度定型化されているといった印象をうけるのではないでしょうか。

しかし、職務経歴書には「これが定型フォーマットだ」と思えるようなフォーマットを見つけることができません。

つまり、職務経歴書を作成する転職希望者側が自由に職務経歴書を書くことができるのです。

なぜこのような状況になっているのでしょうか?

私自身も転職エージェントとして活動する中で「フォーマット化された方が、どこをどのようにチェックすればいいかアドバイスしやすいし、求人を出している企業側も見るポイントが分かるのでラクなのに……」と思うことは多々ありました。

ただ、職務経歴書に自由度があるということは、職務経歴書を作成する転職希望者の個性が職務経歴書に現れやすいということにも繋がります。

つまり、求人を出している企業側は、職務経歴書に書かれている内容はもちろん、職務経歴書をパッと見ただけで、ある程度は「この転職希望者はこのようなタイプの人かもしれない」と推測することができるのです。

特に、転職市場では、転職希望者よりも先に職務経歴書が応募企業に先に届くケースが昨今多くなりました。

転職希望者本人を観る前に、職務経歴書の第一印象で、転職希望者の人と成りが分かってしまうのです。

職務経歴書に定型フォーマットがないということは、企業求人を出している企業側が職務経歴書の見た目も中身も見ているということなのだと、知っておいてほしいところです。

職務経歴書の用紙サイズなども気にしなくていいの?

職務経歴書には定型フォーマットが存在しないという話をしました。

それでは、紙のサイズや余白設定なども特に気にせず、職務経歴書を作ってしまってよいのでしょうか。

これは、あくまでも転職エージェントとして活動してきた実績を基にお話をしますが、求人を出している企業側にとって「有り難い用紙サイズ」や「良い印象をもたれやすい職務経歴書の姿」というものはあります。

詳しい職務経歴書の書き方は後ほど説明しますが、ここでは、職務経歴書に使用する用紙サイズや書式設定(余白・1行あたりの文字数など)についてお話したいと思います。

職務経歴書の用紙サイズはA4サイズ

私が今まで手掛けてきた全ての転職案件では、転職希望者に対して職務経歴書の用紙サイズをA4サイズにするようにお願いしています。

なぜ、A4サイズにしているかというと、企業の実情と関係しています。

日本の多くの企業では、PCで作成した書類をプリントアウトする際、一般的にはA4サイズで出力します。

これは、営業や経理といった業務に関係なく、用紙サイズはA4サイズで統一されています。

なぜかというと、用紙を見るたびにサイズが異なっていると、都度変化があることに対して人間はストレスを抱えてしまい、些細なミスをもたらす危険性があるからです。

また、書類を保管するという点でも用紙サイズがそろっていることは重要です。

用紙サイズがバラバラだと、一定の場所に効率よく保管ができなくなってしまうからです。

ここまで読んで、職務経歴書の用紙サイズをA4にしたい理由にも繋がったでしょうか。

実は、履歴書も昔はB5サイズ(見開きにするとB4サイズ)がありましたが、今ではA4サイズ(見開きにするとA3サイズ)が主流です。

職務経歴書と一緒に提出をする履歴書がA4サイズになってきている以上、求人を出している企業側でストレスを感じないためにも、A4サイズで用紙サイズを揃えておきたいのです。

職務経歴書の書式設定

まず、余白(用紙の上下・左右)サイズについてです。実は、皆さんが思っているよりも少しだけ狭めで大丈夫です。

多くの人がMicrosoft Wordソフト(Word)を使って職務経歴書を作ると思いますので、Wordを前提にお話します。

Wordで文章作成をするとき、作成者が何も設定していなければ、余白サイズは「標準」で設定されています。

これは、用紙上の余白が35.01mm、用紙下および左右の余白が30mmで設定されているモードなのですが、実はこれでは少し余白が広くなりすぎなのです。

実際、余白が「標準」で設定された職務経歴書をプリントアウトして用紙の状態で見てみると、余白が目立ち過ぎて、求人を出している企業側に「この転職希望者はアピールしたいような仕事内容が少ないのでは……」というようなマイナス印象を与えかねないのです。

そこで、転職エージェントとして携わった転職希望者の方々には、余白設定については「やや狭い」で設定してほしいということを依頼していました。

この「やや狭い」という設定は、用紙上下の余白がそれぞれ25.4mm、用紙左右の余白が19.05mmで設定されています。

普段からWordを使っている人にとっては「余白が狭くて少し不安」だと感じるかもしれませんが、「やや狭い」で作った職務経歴書をプリントアウトしてみると、適度に余白がありつつも、文字の存在感が出てくるため、職務経歴書の第一印象が寂しく感じることはありません。

なお、Wordを使わずに職経歴書を作るのであれば、余白設定の際に用紙の上下・左右の余白が20mm~25mmに収まるように設定してみて下さい。

次に1行あたりの文字数ですが、多種多様な職務経歴書を見てきた中では、1行40文字程度で改行されるくらいの設定が理想的だと考えています。

実は、余白設定のところで「やや狭い」で設定をすると1行の文字数が46文字程度になるはずです。

しかし、余白を「やや狭い」で設定した状態で1行の文字数が46文字になると、少し文字量が多く感じやすくなってしまうのです。

余白が多く文字量が少ないと「アピールする職歴が少ないのか?」と思われかねませんが、余白が少なく文字量が多すぎてしまうと「この転職希望者は端的に纏めることができない人なのではないか」と、求人を出している企業側にマイナス印象を与えかねないのです。

そこで、1行あたりの文字数は40文字程度に改めて設定し直すとよいでしょう。

ここまでは職務経歴書とはどういったものなのかということや、職務経歴書にふさわしい「見た目」のことについて話をしてきました。

次からは職務経歴書の具体的な書き方についてお伝えします。

職務経歴書の書き方2つのポイント

私はこれまで、転職エージェントとして今まで数え切れないほどの職務経歴書を見てきました。

プロの私ですら惚れ惚れしてしまうような素晴らしい職務経歴書を一度で書き上げた人はゼロではありませんが、ほとんどの人は一度でパーフェクトな職務経歴書を書けるわけではありません。

しかし、「これを知っておけば誰もがパーフェクトに近い職務経歴書を作れるのではないか」というポイントがあります。

そこで、ここからは、私がこれまで見てきた転職成功者に共通していた「職務経歴書を書く上で押さえておきたい2つのポイント」について、具体的に触れていきます。

ポイント1:職務経歴書の構成要素は5つにする

具体的には、「職務要約」「職務経歴」「生かせる経験・知識・能力」「自己PR」「志望動機」の5つを、この順に記載していくことをお勧めしています。

なぜかというと、今まで転職エージェントとして活動していく中で見てきた、求人を出している企業側の事情を考えた結果です。

求人を出している企業は「今すぐにでも即戦力が欲しい」と思っている会社がほとんどです。

つまり、どの企業担当者も日々忙しく多くの仕事対応をしている人ばかりです。

すると、求人業務に掛けられる時間も自然と少なくなりがちです。

求人のことだけをしている担当者は皆無で複数の仕事を同時並行で進めている担当者がほとんどだからです。

求人を出している企業側担当者とも色々話をしますが、多くの担当者は「職務経歴書を見る時間は5分以内」だと言います。

短い時間の中で「自分は企業側が欲しがっている人材である」とアピールするためには、求人を出している企業側が転職希望者の何を見たいのかを分析した上で、企業側が短時間でも人と成りが分かりやすいような職務経歴書を作り上げる必要があるのです。

求人を出している企業側が職務経歴書で知りたいことは

-どんな人なのか

  • どんな経歴を持っている人なのか
  • 即戦力として働けそうな職歴・能力があるのか
  • この企業で働きたいという熱い思いがあるか

という4点です。

この4点を職務経歴書に落とし込むと「職務要約」「職務経歴」「生かせる経験・知識・能力」「自己PR」「志望動機」の5つになるということです。

それでは職務経歴書に落とし込みたい5つの要素を具体的に見ていきましょう。

職務要約

職務要約とは、転職希望者の人と成りを端的に表現したものです。

具体的には「経歴要約」「自己PR」「意欲」の3要素で構成します。

「経歴要約」では社会人としてスタートを切ってから今に至るまでを簡単に書きます。

何の職種を何年経験してきたかということが簡単に伝わればよいでしょう。

「自己PR」では、求人を出している企業側が求めている人物像に如何に自分がピッタリと当てはまっているのかということをアピールします。

企業側がリーダー職を望んでいるのであれば「現職では●●部門のリーダーとして●人の部下を育成する立場にいます」といった内容を書けばよいでしょう。

「意欲」では、自分経験が求人を出している企業側でも貢献できるのではないかなどといった志望動機にもつながるような内容を記載します。

職務要約に使える文字数としては200文字~300文字くらいが妥当です。

求人を出している企業側が職務要約を読む時に書ける時間が5秒~10秒だと言われているので、短い文章の中でしっかりと転職希望者自身をアピールできる文章になることが大切です。

職務経歴

一般的には新卒社会人として仕事をスタートさせた時から現在に至るまでを順に書いていきます。

ただし、職務経歴が長い人は、直近の経歴を一番上になり、新卒社会人としての経歴が一番下に来る「逆年代順」で職務経歴を書くことをお勧めします。

なぜなら、求人を出している企業側の多くは、遠い過去の職歴よりも直近1社・2社での職歴の方が自社が望む即戦力人材として相応しいと考えているからです。

なお、社内異動や転職回数が多かったことで幅広いキャリアを有している人の場合は、職歴の年代順ではなく、持っている技能・経験ごとにまとめて書く「キャリア別」で記載する方が、求人を出している企業側の目に留まりやすくなります。

生かせる経験・知識・能力

求人票には必ず、転職希望者に求める経験・知識・能力が書かれています。

「●●なら尚可」という求人内容に自分が当てはまっているなど、転職活動に有利に働くような経験・知識・能力があるのであれば、箇条書きでかまいませんので書いておきましょう。

自己PR

転職希望者の強みを企業側にアピールできる場です。

ですから、仕事で得た結果と得た強みが何で、それが求人を出している企業側にとってどのような貢献へと繋がるのかという点について順序立てて書きましょう。

求人を出している企業側に強くアピールしたいのであれば、冒頭に「PRタイトル」を入れるのもよいでしょう。

志望動機

自己PRは求人を出している企業に自分の強みで貢献できるということのアピールをする場でしたが、志望動機は転職希望者のヤル気を伝える場です。

求人を出している企業や募集ポジションに対して魅力に感じる内容や、転職希望者が貢献できるポイントを分かりやすくロジカルに伝えてください。

ポイント2:職務経歴書は用紙2枚に納める

ポイント1では「職務経歴書には5つの要素を入れる」ということについて具体的な内容とその意味について紹介しました。

PRしたい内容が豊富にあるために職務経歴書の素案を作ってみたら何ページにも渡ってしまったという人も少なくないでしょう。

しかし、職務経歴書を作る際には、職務経歴書として相応しい「枚数」についても意識することが重要です。

インターネット上にある職務経歴書にある情報を色々と見てみると「職務経歴書は端的に1枚に纏めることが大切」といった内容や「職務経歴書は3枚が理想であり、アピールしたいことがある場合でも4枚までにしておくとよい」といった情報を多く見かけます。

しかし、私自身が今まで見てきた転職成功者に共通していた職務経歴書の枚数は「2枚」が最多でした。なぜでしょうか。

職務経歴書を1枚で書くとPR不足に陥る危険性がある

転職希望者側の要望があって、職務経歴書を1枚にまとめて提出をしたケースが何件かあります。

その人たちの全員が、実は書類審査で残念な結果となってしまいました。

転職活動支援を終えた後に、求人を出している企業側の担当者と話をする機会があったので「なぜ、書類審査で落としたのですか?」という質問を率直に投げかけてみたところ、「欲しい人材に思えなかった」という意見が多数でした。

職務経歴書に1枚しか使えないとなると、自然と自己PRや志望動機に使える文字数が少なくなります。

文字でのアピールが足りなければ「会ってみたい人材」だと思ってもらえなくても仕方ありません。

職務経歴書の枚数が多いと読みづらい

職務経歴書の枚数が多いと「つまり、何をアピールしたいの?」という点が伝わりにくくなります。

また、企業の多くは転職希望者に即戦力、つまり「重要なことを端的に纏められる力」を求めてもいます。

求人を出している企業側が欲しい人材と自分がいかにマッチしているのかアピールするには、文字数も構成要素も「適量」が重要だということなのです。

ここまでは、職務経歴書を書く上で重要な2つのポイントについて見てきました。

次は、作った職務経歴書のどこを特にみられているのか、具体的に触れていきたいと思います。

職務経歴書で見られるポイント

求人を出している企業側の採用担当者は1人の職務経歴書を5分くらいしか見ていないと言われています。

転職エージェントとして携わった多くの企業側担当者とも情報交換をしていますが、多くの人が「5分くらいかな」「5分も見ていないかもしれない」と言います。

求人を出している企業側担当者は職務経歴書のどこを見ているのでしょうか。

4つのポイントを深く見ていきます。

求人を出している企業側の目線を知ることによって、職務経歴書のどの部分を特に意識して作り込めばよいのか分かってくるはずです。

ポイント1:職務経歴書に一貫性があるかどうかを見ている

求人を出している企業は、行き当たりばったりの人生を送っている人と一貫性のある人生を送っている人のうち、どちらの人と仕事をしたいと考えているものなのでしょうか。

正解は簡単ですね。

一貫性のある人生を送っている人を採用し、一緒に仕事をしたいと願っています。

ただ、人間は完璧な生き物ではありません。

時には行き当たりばったりのことをする時もありますし、一時は一貫性があったとしても急に立ち止まってしまうような時もあります。

転職活動をする上では、実際には一貫性がない時もあるかもしれませんが、あくまでも職務経歴書の上だけでは嘘のない程度に、一貫性がある人生を送ってきたように書いてほしいのです。

特にこれまでの実績・成果・志望動機に一貫性があると、採用担当者も納得しやすい一貫性のある職務経歴書になります。

ポイント2:求める能力を満たしている人材かどうかを見ている

多くの企業では転職希望者に即戦力であることを求めています。

つまり、経験者を採用するケースがほとんどなのです。

経験者を採用する場合には、求人を出す時点で入社後にどのような仕事を担ってほしいのか決まっていますし、その仕事をする上で持っていてほしい能力やスキルも決まっています。

ですから、職務経歴書で確認したい点は

  • 求めている業務経験の有無
  • 求めている業務経験の年数
  • どのようなスキルがどの程度あるのか

の3つです。

求人票を見た時点で、経験者採用なのかそうではないのか、一目で判断できます。

経験者を採用したいと分かる求人内容であれば、求人を出している企業側が求めている職務経歴の有無・年数・スキルについては、分かりやすく端的に書くようにしましょう。

なお、中には、即戦力というよりも「優秀な人材が欲しい」という理由から転職希望者を募るケースもあります。

この場合には、求人票に「第二新卒も可」など、募集している人材年齢が若いと分かるヒントが隠されています。

求人票から職務経歴を問わないような人材の採用だと読み取れるようであれば、職歴の部分もよりも自己PRや志望動機を厚めにした職務経歴書を作るとよいでしょう。

ポイント3:プレゼン力を見られている

前段で、「職務経歴書は5つの要素をA4サイズの用紙2枚で作成する」というお話をしました。

アピールをしたい内容が多ければ多いほど、A4サイズの用紙2枚に収めることは大変です。

一方、社会人としての経験が短い状況で転職をしようとすると、アピールできる内容が少なく、A4サイズの紙1枚にしかならないということもあるでしょう。

求人を出している企業側も、職務経歴書2枚の中に5つの要素を盛り込むことが如何に大変であるか、重々承知しています。

その上で転職希望者には「職務経歴書は5つの要素をA4サイズの用紙2枚で作成する」ことを望んでいます。

なぜでしょうか。それは、求人票には書いていない「能力」、つまりプレゼン力をみたいからです。

職務経歴書を見た瞬間に「これは読みやすい」と思える職務経歴書は多くの場合、転職希望者が「このように見せたら採用担当者が読みやすいのではないか」と徹底的に考えた末にできあがったものです。

つまり、相手とって分かりやすく伝わりやすいものなのかという配慮できる人なのかどうかという点は、職務経歴書からも十分判断できるのです。

冒頭の「■職務経歴書とは」の中で、職務経歴書には定型フォーマットがないものの、用紙の余白設定や1行あたりの文字数を細かく調整することが大切だということをお話しました。

このことも、職務経歴書の読み手である採用担当者の気持ちを配慮したものだとプラス印象としてつたわることでしょう。

また、プレゼン力が発揮された職務経歴書は、転職希望者が取り組んできた仕事内容・成果などが具体的に書かれています。

プレゼン力がイマイチだったり、職歴に自信がなかったりすると、職務経歴書が全体的に抽象的になってしまいます。

売上金額や達成人数など、数値で表せるところは数値を入れながら具体的に書かれた職務経歴書であれば、プレゼン力の高さはもちろん、求人を出している企業が欲しい人材として高い評価を得られます。

ただし、参加プロジェクトが多いIT系の転職希望者は注意してほしい点があります。

プロジェクトの経験を売りにしたいと、プロジェクトごとに内容をまとめて書いている人を見かけます。

プロジェクトごとにまとめて書くこと自体は問題ないのですが、プロジェクト名を長々と羅列するような書き方をしてしまうと、カタカナが並ぶカタログのスペック一覧を見ているような印象、つまりプレゼン力があるとは見られません。

文章で見せる時と箇条書きで見せる時は見え方やバランスを考えておきたいところです。

プレゼン力とはトーク力だけではありません。

資料作成を通じて書面からも伝わるものなのです。

ポイント4:社風に合う人材かどうかを見られている

職務経歴書から読み取れるものは職歴や自己PRなど書かれている内容だけではありません。

「ポイント2」で、採用担当者は職務経歴書からプレゼン力がある人かどうかを見ているという点を話しましたが、仕事に対する見方・考え方・進め方といったところから、組織に在籍する人間としての物の見方・考え方なども読み取れるものです。

職務経歴書を書く際には、求人票だけではなく、求人を出している企業のホームページも丹念に確認し、どのような社風でどのような価値観を大切にしているのか、しっかりと研究をしましょう。

そして、研究をした結果は余すところなく職務経歴・自己PR・志望動機といった欄に反映させていきましょう。

転職活動をする際にはほとんどの転職希望者が求人を出している企業のホームページを見ています。

しかし、企業ホームページのどこをどのように見たのかと聞くと、企業情報を収集し分析するところまでは見きれていないということが現状です。

もちろん、求人を出している企業側は社風に合う人なのかどうかという点は実際に会って確認しますが、職務経歴書の段階からも社風に合う人材かどうか見られているという点は意識しておきたいところです。

ここまで、求人を出している企業側が職務経歴書でどこを見ているのか、4つのポイントを見てきました。

次は、「受かる職務経歴書」と「落ちる職務経歴書」の差について触れていきます。

受かる職務経歴書と落ちる職務経歴書

ここまで、職務経歴書を作る上で入れておきたい要素や枚数・書式といったポイントや、求人を出している企業側が職務経歴書でどこを見ているのかというポイントを説明してきました。

これらのポイントに触れることによって、職務経歴書に入れておきたい要素が何なのか見えてきた人が多いのではないでしょうか。

ここでは受かる職務経歴書と落ちる職務経歴書にはどのような差があるのか、もう少し細かく見ていきたいと思います。

落ちる職務経歴書は無駄が多すぎる

転職エージェントとして転職希望者を支援していると、私から「受かる職務経歴書」のコツをお伝えしたにもかかわらず、合否に関係しないような無駄な要素を盛り込んだ職務経歴書を多く見かけます。

無駄が多い分、合格に必要な要素が職務経歴書から漏れているという状態です。

これでは「落ちる職務経歴書」行きです。

具体的にどのような点が無駄なのか、挙げていきます。

求人内容に無関係な資格を列挙している

アピールに繋がるのではないかと、色々な資格を列挙している人を見かけます。

私が見た中では、自動車部品関連のマーケティングリーダーの求人に応募するための職務経歴書の中に「アロマテラピー検定2級取得」や「ピアノ●●試験●級」といった資格内容を記載した転職希望者がいました。

確かに、転職希望者の人と成りを知ることができる要素かもしれませんが、自動車部品関連のマーケティングリーダーを担ってくれる人に、アロマテラピー検定2級を持っていることやピアノで級を持っていることが求められるでしょうか。

例えば、外国との交渉がある部門での求人である場合に英検1級を所有資格として書いておけば、安心をして海外との交渉を任せられるだろうとプラス評価に繋がるでしょう。

また、予算管理を求められる部門の求人である場合に簿記1級を所有資格として書いておけば、イチから教える必要性がないだけではなく、今まで気付かなかった予算管理上の問題点を指摘してくれるような貢献をもたらしてくれるだろうとプラス評価に繋がります。

求人内容に無関係な資格内容を列挙するくらいなら、いっそのこと所有資格は書かずに、求人を出している企業が求めている人材だと高評価してくれるような職歴・自己PR・志望動機を多めに書いて見ましょう。

その方が「受かる職務経歴書」になります。

求人内容に無関係な趣味・特技・家族構成なども書いている

確かに、履歴書に趣味・特技・家族構成を書く欄がありますが、職務経歴書にまで書く必要があるかというと、書く必要はありません。

前段の「求人内容に無関係な資格を列挙している」の箇所でも書きましたが、「この人ならうちの会社で今いるメンバーと違和感なく働いてくれるのではないか」と仕事面でそう思われるような職務経歴書になるよう、注意しましょう。

落ちる職務経歴書はコンプライアンス上の問題がある

自分が前職で出した実績だからといって、世間に公表されていないような事業内容など企業の機密に関わるような際どい内容を職務経歴に書いている転職希望者を見かけます。

自分の実力をアピールしたいという気持ちは理解できますが、法令遵守(コンプライアンス)をないがしろにする社会人はどこの企業でも嫌われます

なぜなら、「うちの会社に入社したとしても、この人は平気で競合他社をはじめ世間に対して機密情報を漏らしてしまうかもしれない」と思われてしまうからです。

職務経歴書を出す企業が今まで働いてきた企業と競合にあたるのか、業界そのものが異なるのかは関係ありません。

企業の機密に関する情報をうっかり職務経歴書に書いていないか、細心の注意を払うようにしましょう。

落ちる職務経歴書は社内独自用語が用いられている

転職希望者の実績を書く際に、勤務してきた会社だからこそ分かる独自用語が用いられているケースがあります。

例えば「2016年2月金賞受賞」と書いてあっても、どのような部門で何を評価されたことによる金賞なのか、勤務してきた会社以外の人は全く分かりません。

職務経歴書はA4サイズ2枚に収まる内容にすることの意味と効果については、これまでも何度か触れてきました。

そのため、少しでも文字数を短縮できるところは短縮して、他の合格に繋がる要素を書きたいという気持ちがあるもかもしれません。

しかし、書類を見て判断ができない用語は、合格に繋がらない「無駄」です。

求人を出している企業が「そういう実績があるなら我が社に是非きてもらいたい」と思えるような受賞実績なら、受賞内容や受賞理由など、少し文字数を取られてでも詳しく書くようにしましょう。

なお、業界内で使われている用語についても注意が必要です。

システム構築をいている人であれば理解できる用語だとしても、採用担当者が理解できる用語だとは限らないためです。

必要に応じて分かりやすい言葉に書き換えたり説明を追加したりするなどの対策を講じましょう。

落ちる職務経歴書は自己PRが普通すぎる

これは、1パターンの職務経歴書を複数の企業に使いまわし利用をしようとする転職希望者に見られる傾向です。

応募企業ごとに職務経歴書を作るとなると、かなりの時間と労力が必要となることから、「今まで培った経験を生かすことで御社に貢献できるものと思っております」といった、どこの企業にも出せるような自己PRを書きがちです。

このような「よくある自己PR」を見た採用担当者はどのように感じるでしょうか。

求人を出している企業側の担当者も無知ではありません。

今までに何人もの転職希望者が作った職務経歴書を見てきているのです。

「この職務経歴書は使いまわしができるパターンだな」「自社オリジナルの職務経歴書を作らないということは、どうしても入社したいというわけではないな」と感じ、書類審査の時点で落としてしまうこともあります。

どんなに時間がかかったとしても、職務経歴書は使いまわしせずに、応募企業1社1社の特徴を反映させた「オリジナル職務経歴書」を作るようにしましょう。

その手間こそが合格への近道です。

落ちる職務経歴書は無駄な職歴をプッシュしている

これは正社員歴よりもアルバイト歴が長い転職希望者に多い傾向です。

求人を出している企業としては正社員としての人材を求めているにもかかわらず、アルバイト歴の方が長く多種多様な仕事をしてきたからという理由で、正社員として携わった仕事の内容よりもアルバイトとして携わった仕事の内容を多く書き過ぎてしまうのです。

これは、求人を出している企業側担当者の考え方にもよるのですが、正社員よりもアルバイトの方が「責任が軽い」「簡単な仕事ばかりをやる」というイメージを持っている担当者がゼロではありません

求人内容が「正社員として雇用」となっているのであれば、アルバイトとして頑張ってきた仕事内容よりも、たとえ期間は短いとしても正社員として頑張ってきた仕事内容を多く書いてアピールするようにしましょう。

ここまで、落ちる職務経歴書の特徴について5つピックアップしてきました。

いかがでしたでしょうか。

5つあげた特徴を回避することができれば、一気に「受かる職務経歴書」へと変身することができます。

書き上がった職務経歴書が落ちる職務経歴書になっていないか、しっかり確認してみて下さい。

最後に、採用担当者の視点について触れます。

採用担当者は職務経歴書のここをチェックしている!

これまでも、求人を出している企業側の採用担当者を考えた職務経歴書を作ることが如何に重要なのかという点について触れてきました。

最後に、採用担当者は職務経歴書のどこをチェックしているのかという点についてお教えします。

「えっ!そんなところも見ているの!?」という声が聞こえてきそうな細かい点すら見ているということを理解する機会になれば嬉しいです。

職務経歴書の体裁が整っているかチェックしている

企業や担当者によっても異なるのですが、私が今まで転職エージェントとして携わった企業の採用担当者の多くは、職務経歴書をプリントアウトした上で、内容を確認したり配属部署の担当者とやり取りをしていました。

職務経歴書をプリントアウトすることによって何が分かるかというと、体裁の整い具合が分かるのです。

たまに、会社の風土を転職エージェントに聞いたということで、明朝体で作った職務経歴書のある部分と、ゴシック体で作った職務経歴書のある部分とを一緒にして新たな職務経歴書を作成し、企業に応募する人がいます。

1つの職務経歴書の中に明朝体の部分とゴシック体の部分が混在するのです。

この状態は、社会人歴が長い人ほど「違和感」として感じるだけではなく、転職希望者が「社会人としての一般教養が足りない人」であると判定する材料を与えてしまうことになります。

転職エージェントから特別アドバイスがない限り、職務経歴書は明朝体で揃えることをお勧めします。

文字サイズもWordであれば一般的な10.5ポイントを使うのがよいでしょう。

体裁チェックというところでいくと、履歴書と職務経歴書で和暦と西暦が混在していないかという点についてもチェックしている採用担当者もいます。

「履歴書は和暦で、職務経歴書は西暦で書く」とアドバイスをしている転職エージェントがいるようですが、私が今まで携わってきた案件で好評だったのは、履歴書も職務経歴書も西暦で書くパターンです。

特に平成になってからは和暦が使われるケースが少なくなっている印象を受けますし、求人を出している企業側も仕事で和暦を使わない企業が多数あるため、「平成3年って…それって西暦何年のこと?」と面倒な変換をしなければならず、手間なのです。

求人を出している企業側担当者のストレスを少しでも軽くし、職務経歴書に良い印象を持ってもらうためにも、履歴書と職務経歴書は西暦で揃えることをお勧めしています。

在籍期間の長さ・空白を見ている

書類選考で落とすことはありませんが、在籍期間の長さや、就職期間と就職期間の間に発生をした空白について、採用担当者は見ています。

まずは、在籍期間の長さです。

在籍期間が1年未満が「短い」と感じるか「そういうこともあるだろう」と感じるかは、求人を出した企業の社風や採用担当者の考え方によって異なります。

とはいえ、在籍期間が1年未満である場合、採用担当者は一旦注目をします。

その上で、面接で聞くことリストの中に在籍期間の長さについて聞こうというように入れます。

世間では正社員を1人雇うと、月収の2倍~3倍に相当する費用が発生すると言われています。

短期間で従業員が退職して年中採用をしているようだと、採用コストはうなぎ上りに上がっていきます。

ですから、求人を出している企業側としては、一度採用した従業員には少しでも長く働いて欲しいのです。

もちろん、在籍期間が短かった理由を面接で的確に述べることができ、今後に向けての改善や方向性といったプラスの内容に持っていくことができるのであれば、在籍期間の短さは面接の場で帳消しにすることができます。

書類選考だけではなく面接をして人材を採用するかどうか決めていることの理由の1つと言えるでしょう。

また、A社勤務とB社勤務の間に2年のブランクがあるというような、就職期間と就職期間の間に発生している空白期間についても、採用担当者は見ています。

そして、在籍期間が短い場合と同じように、面接で「この期間は何をしていたのですか?」という問いかけを必ずします。

ブランクがある理由が「知識や人脈を増やすために世界一周旅行をしていた」「資格取得のために勉強に専念する期間を設けていた」など、社会人としてプラスになるような理由であれば、堂々と面接時に答えて下さい。

面接担当者の評価は高くなるでしょう。

もしも、体調不良や他の理由により就職期間と就職期間の間に空白期間が発生したのだとしたら、正直に伝えると同時に、どのような改善・対策をしたのかという点についても話をして下さい。

在籍期間の短さや空白は、その理由次第では企業にとってのリスク要因になりかねません。
ただし、企業がリスクだと感じにくくできるような面接での受け答え方法など、コツはいくらでもあります。

在籍期間の短さや空白を気にしているということを理解した上で、しっかりと面接対策をするようにしましょう。

求人票に出している内容とどのくらい一致しているか見ている

ここまで何度か書いてきましたが、採用担当者は求人票に出した内容と履歴書・職務経歴書に書かれている内容がどのくらい一致しているのか、見ています。

特に、職務経歴書の中では、求人を出している職種や求める能力とどのくらい一致しているのかという点について詳細に見ています。

求人票に出している内容と一致している点が直近まで勤務してきた会社で発揮してきたことであれば問題はないのですが、注意したいものは2つ前以上昔に発揮してきた内容とは一致しているものの、直近まで勤務してきた会社で発揮してきたこととは一致していない場合です。

求人内容によっては、古いやり方では通用しないケースがあるためです。

もちろん、面接で確認されることになりますので、面接対策はしっかりと行うようにしましょう。

もしも、古いやり方では通用しないケースであるならば、現在はどのようなやり方がスタンダードなのかということについては調べておきつつ、面接では「業務に支障が出ないようにしっかりと勉強をします」などの対策案をアピールするとよいでしょう。

「この企業で働きたい」という熱意がどのくらいあるか見ている

求人を出している企業側としては、会社の名前・給与・福利厚生といった面が志望動機となるような転職希望者よりも、「この会社に入社することで会社に貢献できるだけではなく自分自身も成長できる」という熱意を志望動機とするような転職希望者の方を求めます。
人と人とがコミュニケーションを取りながら仕事をしてく場ですから、会社に対する熱意を持っている人と一緒に働きたいと思うことは自然です。

志望動機はについては「応募した企業のどこに魅力を感じ、惹かれているのか」「求人に出ていた仕事内容やポジションのどこに魅力を感じ、惹かれているのか」「どのような根拠があるから、応募した企業に貢献できると考えているのか」という内容を、この順番で書いていくことで、しっかりと熱意が伝わる志望動機になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

職務経歴書1つとっても、色々と考える点や配慮する点が多いということに気付いて頂けたのではないでしょうか。

転職エージェントとして様々な「成功転職」を見てきましたが、「受かる職務経歴書」に共通していることは、企業が求めている人材であるということを端的にアピールできていることです。

何度も書き直したり転職エージェントからアドバイスをもらったりすることで、職務経歴書はどんどん磨かれ、「成功転職」に導いてくれるものになります。

妥協しない職務経歴書づくりを心掛けてみてはいかがでしょうか。