「どうせ転職するなら安定した企業に転職したい」と思っている人は多いでしょう。先行き不安な社会だからこそ、安定した企業に転職することは重要ですし、あなたのよりよいキャリア構築には必要です。そこで今回は安定企業の見分け方と気をつけるポイントをご紹介していきましょう!
安定企業とは?
「安定企業」と聞いて皆さんはどのような企業をイメージしますか?30秒程度考えてみてください。
いかがでしょうか?「業績が安定している」、「株価が安定している」、「社会的信頼のある企業」などが思いついたかもしれませんね。
しかし、安定企業の要素は業績や株価、社会的信頼性だけではありません。それはSHARPや三菱、日産などをみているとご理解いただけるのではないでしょうか?業績や株価が安定していて社会的信頼がある企業でも、買収や不正に飲み込まれる可能性があるのが今の日本です。
では何が安定と言えるのでしょうか?簡単に判断することは難しいですが、まずは安定企業を定義しておきましょう。本記事では安定企業を「この先10年〜20年間、業績をプラスで維持し、社員に待遇として還元できている企業」とします。つまり、安定企業とは将来性があり、業績を安定させようと努めている企業、そして社員を大切にしている企業だということです。
「将来性」「業績」「社員への還元」この3つについて、情報収集の方法をご紹介しましょう!
どの情報をみれば分かるのか?
将来性
将来性とは「新しいサービスの展開を考えているか、そのサービスに投資しているか」ということです。今の日本で世間一般に言われる安定企業で判断すると、もはや大手自動車会社と大手通信会社しかないと考えられます。
その理由は「どの業界もサービスが飽和しており、パイの奪い合いをしている」といえるからです。新しいサービス展開を全く考えていないという企業は、そのパイが競合他社に食べられれば倒産します。つまり、具体的な展開をしていなくとも、新しいサービス展開を考えている企業は将来性があり、もっともあなたが「面白い!」と感じられるのであれば、参加して頑張るのもいい選択でしょう。
その情報はネットニュースやホームページ、有価証券報告書などでも見ることができるかもしれませんし、面接の際に「今後の展開は?」と聞いてみるのもいいでしょう。
業績
上場企業であれば、有価証券報告書を見ればわかります。直近の業績だけをみるだけでなく、過去の業績も見る必要があるということです。
中でも注目してほしいのが「キャッシュフロー計算書」です。詳細な見方は省略しますが、安定企業では「営業キャッシュフロー」がプラスで「投資キャッシュフロー」、「財務キャッシュフロー」がマイナスになります。つまり、営業利益をだしており、利益を固定資産(設備など)などに投資しており、借金(借入がない会社はない)の返済にあてていると考えられます。
非上場の会社も官報や日刊紙に決算書を掲載する義務があり、検索すればヒットするかもしれませんが、公告をサボっている会社もありますので、そういった際は資本金の増加率などを見るのも一つの手です。資本金を一定にしている企業は大手では存在しますが、中小企業であれば良い指標になります。
社員への還元
財務諸表から人件費率を計算する方法もありますが、それはここで解説するには少々複雑ですので、求人やネット掲載の平均年収からの判断方法をお教えしましょう。
求人や平均年収を見たら、業界平均・会社規模別の平均・職種別平均と比較して妥当な年収かということに注目してください。低すぎる会社や高すぎる会社は安定しているとは言いづらいです。収益をバランスよく人件費に当てていれば、平均とほぼ同じか、それより少々高い水準になります。
転職活動に生かすポイント
ここまでご紹介してきたことを求人(企業)選定に生かしましょう。ただし、安定している企業だと判断した企業にだけ応募すればいいのかといわれれば、それは少し違います。それは比較する企業がなければならないからです。最初にお伝えしたとおり、安定しているか判断するのは非常に難しいのです。
安定していると判断した企業が6〜7割、判断がつかない、もしくは不安定だと判断した企業が3〜4割の比率で応募するのがベターです。自分の判断が正しかったかを比較することで判定することが可能になります。
面接や社内の雰囲気などをみて判断してみてくださいね。
まとめ
「安定企業」を判断するのは今の日本ではとても難しくはありますが、情報収集の一つとしてご紹介した方法は大事な要素でもあります。
少し逆説的なことを言うかもしれませんが、安定していれば良いのかといわれれば長年エージェントをしている私も首を横に振ります。なぜなら、まずはあなたのキャリア構築が大切だからです。安定しているからといって最終的に社内ニートになるような企業なのであれば、私はオススメもしません。
あなたのキャリアを考えたとき、安定している企業でキャリアを着実に積み上げることも一つ大事なことですので、安定企業の判断方法をご紹介しました。ですが、倒産するような会社で倒産間際まで踏ん張った、経営の安定化のために最後まで努力し続けたという人も非常に高く評価されますので、どちらもキャリアとしてはOKだと考えられます。
一つの情報収集や考え方として実践していただければと思います!ぜひよりより転職活動を!